アマチュアの目
山之内裕一・山之内建築研究所
懸案であった昨年竣工した住宅の外構工事が、先日、ようやく完了した。小さな中庭と段差600mmほどのアプローチ階段、そして隣地内の植栽です。中庭は、クライアントのたっての希望で札幌軟石をコンクリート平板と同じサイズの300×300×60厚に加工し敷き詰めた。札幌軟石を平板加工したのは、コンクリート製品を扱う職人が容易に運搬・施工できるためでもある。植栽は、いくつかのグランドカバー候補の中からビンカミノールを選択、予算の制約があり適度な間隔で植えた。数年後の密植状態が想定される植物は時間を味方にできるのが良い。そして階段は、最後まで検討が続いた。中庭と同じ札幌軟石案は早々に断念、施工と予算の両面で難しい。コンクリートPC平板を利用する最終案に落ち着いた。昨年竣工の住宅ポーチ階段はコンクリート打放洗い出し仕上、クライアントも気に入っている。私は同様なデザインにしたいと考えていた時、ちょうど良いPCブロック平板に出会った。300×600×100厚で50kg程度の重量がある2枚を50mm前後させ重ねる、すると住宅ポーチ階段の相似形になった。施工と予算の問題も無事解決。ブロック施工者と私そしてクライアントの3者がそれぞれの視点から対話をおこない、その結果がカタチになった。具体的には私がスケッチでアイディアをクライアントに提案し、施工者と工事内容と見積もりを協議した後、再びクライアントの了承を得ている。クライアント(アマチュア)の目を背中に感じながら、専門家(プロフェッショナル)の施工者と私がそこにいたのである。ちなみに専門家(プロフェッショナル)の対義語は素人(アマチュア)。アマチュアの語源はラテン語AMOR、つまり愛。クライアントと専門家たちはコンクリート平板・札幌軟石愛に収斂したということなのである。
詳細情報
作品名:厚別東の家(あつべつひがしのいえ)
所 在:北海道札幌市厚別区
中 庭:札幌軟石敷、砂利
外構階段:コンクリートPC平板、砂利
設計監理:山之内建築研究所/山之内裕一
施 工:松浦建設
施 工:よねざわ工業株式会社
写真図面:山之内建築研究所








