丁寧施工

設計/山之内裕一・山之内建築研究所

地元の建築家と地域工務店とでつくるモデル住宅建設が、ようやく全体像を見せてきた。私たちのチームが作る住宅は補強コンクリートブロック造。構造躯体の堅牢さと素材の持つ質感、そしてなにより大きな蓄熱性能が特徴だ。しかし、コンクリートブロック躯体単独では外皮が完成しない。積雪寒冷地ではなおさらである。省エネ化が進むなか、高性能な外皮が求められている。

断熱は、コンクリートブロック躯体に100ミリ厚の押出し成型スチレンボード外断熱、屋根は300ミリ厚のグラスウールを吹込み施工している。開口部は、玄関ドアが木製断熱扉、窓は地元企業の木製サッシ+LOW-Eペアガラス、アルミ樹脂複合サッシ+トリプルガラス。外壁仕上げは、北海道で安価に手に入るトドマツ羽目板を全面に張る。 外皮に求められる性能は、耐久性や断熱性、デザイン性や維持管理のしやすさ、そしてなにより暮らしやすさが考えられなければならない。外皮は全て断熱され、人や空気や光が出入りするドアと窓といった開口部が適度に配される。現場では、設計の意図通り断熱材や窓などが丁寧に施工されている。そうした現場施工のキーマンは言うまでもなく工務店の現場担当者であり、大工棟梁である。高断熱高気密住宅は、彼らの理解や能力に支えられている。だから私も現場に足しげく通いながらコミュニケーションが欠かせない。最近、SNS利用などで、よりこまめに現場とのやり取りができるのは嬉しい。

カスタマイズできる家  詳細情報

  • 所   在 :北海道南幌町
  • 構造・規模 :補強CB造および木造、平屋
  • 敷地面積 :337.80㎡
  • 延床面積 :115.93㎡
  • 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施   工 :晃和住宅
  • ブロック施工:よねざわ工業
  • 設   計 :2017年
  • 竣  工 :2018年6月2日予定(本紙平成29年11月20日第2964号、平成30年2月26日第2977号、3月26日第2981号参照)

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