新入社員諸君!この人生大変なんだ   

 新入社員諸君、入社おめでとう。数ある業種の中から、よくぞ我がプレキャスト製品業界の門を叩いてくれた。我々は諸君を心から歓迎する。今、諸君の胸は大いなる夢と希望でいっぱいだろう。筆者は諸君を祝福せずにはいられない。

 プレキャスト製品業界は今、大きな転換点にある。建設現場では人手不足が深刻で、省力化・省人化はもはや「必須」だ。その解決策として期待されているのがプレキャスト製品で、建設業界も生産性向上の切り札と位置付けている。諸君は、今を盛りと咲き誇る桜のように、期待と注目を集める業界に足を踏み入れたのだ。

 だが新入社員諸君、この仕事を気楽な稼業と思ったら大間違いだ。プレキャスト製品は、CO2排出量の多いセメントが原料だ。それだけに、業界が脱炭素社会の実現に向けて果たすべき責任は重い。カーボンニュートラルやSDGsを現場でどう実現するのか。原材料費が高止まりする中での技術開発は、メーカーにとって大きな負担でもある。その負担を、果たして市場は受け止めてくれるのか。

 諸君に期待されているのは、プレキャスト製品の新しい市場、新しい使い方、新しい価値の創出だ。柔軟な発想で、プレキャスト製品が活躍できる場所を探さなければならない。探すだけでは足りない、創り出すことだ。業界の未来をどのような色に染め上げるのか、それは諸君の手にかかっている。

 なかなか重たい話だが、新入社員諸君、あまり気負わなくてもよい。この世の中、思い通りにいかないことの方が多いと心得よう。正直に真面目に働いても報われないこともあるし、理不尽な客に出くわすこともある。意気込んで出した案があっさり却下されて、「こんなはずではなかった」と嘆く日もあるだろう。

 だが、それでもいいじゃないか。諸君の先輩たちはきっと皆、「給料の半分は我慢料みたいなものさ」というに違いない。安易に逃げ回っていたところで、自分は出来上がらない。多少つらくても踏みとどまって、自分の仕事をやり抜くことだ。天は自ら助くる者を助く、それが世の中というものだ。

 諸君、この人生、捨てたものではない。歳を取ったからこそ筆者はそう思う。必ず春は巡ってくる。だから酒も、うまくなる。結果が悪くてもクヨクヨするな。働くのは会社のためでも家族のためでもない。結局は自分のためだ。

 さあ、やってみようじゃないか。諸君の若さと情熱が、この業界をもう一段先へ押し上げてくれる。筆者はそう信じている。

頑張れ、新入社員諸君

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