ブロック店舗の家

設計/山之内裕一・山之内建築研究所

店舗併用住宅です。ブロック造のイメージは店舗にこそふさわしいと考えたクライアントは、家業の理容店舗(ヘアサロン)の移転を機に店舗併用住宅を希望しました。場所は札幌市内です。市内の理容店舗は火曜日が定休日となっているのですが、それ以外はほぼ営業日です。したがって、職住近接のライフスタイルは合理的選択なのでした。まして、一日のほとんどの時間を過ごすことになる店舗は、お気に入りのインテリアでありたいと願うのも当然の流れ。かくして、店舗の内部にブロックを大胆に露出することとなりました。実は、設計者自身も店の顧客で、年に数回は散髪に訪れます。そのようなときにふとブロックのラフさが醸し出す雰囲気が、理容のミリ単位の精度を求める作業と対比的に感じられ面白い。一方でブロック目地が空間を直線的に覆う感覚は、ある種の清潔感を感じます。理容の衛生概念とどこかで通底しているようです。 敷地の奥に一坪ほどの中庭を設けました。自然採光と休憩場所になっています。理容では、室内の明るさが必要ですから中庭からの採光は効果的です。もちろん屋外での散髪もまた気持ちがいいものです。

菊水の理容店の家  詳細情報

  • 所   在 :北海道札幌市
  • 構造・規模 :木造一部CB造、3階建
  • 敷地面積 :123.32㎡
  • 延床面積 :179.07㎡
  • 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施   工 :辻野建設工業式会社
  • 竣  工 :1999年

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