セラミックブロックの家

設計/山之内裕一・山之内建築研究所

岩見沢(いわみざわ)の家は、セラミックブロックを室内外の各所に使用した住宅です。一般的に住宅は、シェルターや器として定義されます。つまり、家族の命や財産を守るシェルター、暮らしを育む器というイメージです。私たち建築家は、その器やシェルターをどのように作るかをいつも考えています。今回は、壁をセラミックブロックで、屋根を木造でつくることを提案した住宅です。

住宅の位置する岩見沢市は、冬の最深積雪量が150センチメートルに達する北海道でも多雪地帯。幸い敷地が比較的広く、堆雪スペースの確保が可能であったため、自然に落雪する大屋根をかけることとしました。大屋根は、構造用合板を室内側に張り天井仕上げとし、タルキ小屋組のツーバイ材で受けました。次に壁は、コンクリート打放しおよびセラミックブロックです。1階の壁に使用したセラミックブロックは、コンクリートブロックと同じメーソンリー構造です。

近隣の町・野幌の土で焼き上げ、レンガと同じ愛すべき風合いが特長の素材です。ちょうどこの頃から、岩見沢市では行政が中心となりレンガをイメージソースとする街づくりがスタート。近所にレンガが印象的な公園などもありました。そこで、セラミックブロックを使用して街並み参加する住宅を目指すことを私たちは施主と共に考えました。

前面道路ギリギリまで張り出したカーポートを囲う両袖壁は、素焼きのセラミックブロックを積みました。玄関先と道路との接点に、この住宅の特徴がよく表れています。ただひとつ残念なことは、セラミックブロック工場が閉鎖、この素晴らしい素材を現在使用することができないことです。

岩見沢の家  詳細情報

  • 所   在 :北海道岩見沢市
  • 構造・規模 :木造一部RC造、2階建
  • 敷地面積 :337.88㎡
  • 延床面積 :155.94㎡
  • 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施   工 :セラミックアーバン株式会社
  • 竣  工 :2002年

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