意匠設計者の構造現場

設計/山之内裕一・山之内建築研究所

ブロック造住宅の系譜と題された連載を始めた時から一度は話題にしたいと考えていた。ブロック造住宅の構造についてだ。それは構造設計者に任せておけばよいというものではないと思っていた。なぜなら現在、その構造設計者すらブロック住宅の設計機会が減少しているからだ。幸い私は建築家として意匠設計者の立場でブロック造住宅に長年にわたり関わってきた。住宅設計監理の数々の局面でブロック住宅ほど構造が意匠(デザイン)を支配する構造形式を他に知らない。

とはいえ所詮は意匠設計者。デザインから考える構造現場の現在を報告する。まず構造形式。ここで扱うのは空洞ブロックに鉄筋補強した耐力壁式構造。「空洞部に適当の間隔に鉄筋を縦横に配しモルタルやコンクリートを充填し補強して、耐力壁を造る」そして「鉛直荷重・水平荷重の大部分を耐力壁で負担させるように設計された構造」(彰国社刊、建築大辞典)だ。 つまり、壁式構造であるから壁の長さ、壁量と配置が重要。そして耐力壁は鉄筋で補強されており特に縦筋が最重要だ。現場の監理では、設計段階で決定された壁の配置に従い鉄筋(縦筋)の施工チェックが必須となる。空洞ブロックの場合、縦筋の間隔と鉄筋のつなぎ方法を確認する。基礎から臥梁までつなぎ無しとするのが基本だが、ブロックの積み方次第では長い鉄筋が施工を妨げる。その場合、溶接やクリップ止めなどの方法で鉄筋をつなぐことになる。当然コストに跳ね返る。うま目地では2、3回鉄筋をつなぐ。ブロック壁はブロック職人が人力で一個一個何もない空中に積み上げる。だから、目印の役目をする遣り方(やりかた)も重要。もちろんブロック職人側で用意する最新の道具も併用する。ここからがブロック職人の出番。ブロックの組み合わせで造る構造が規定する面白いデザインの始まりなのだが紙面が尽きた。

美しが丘の家  詳細情報

  • 所   在 :北海道札幌市清田区美しが丘
  • 構造・規模 :補強CB造一部木造、2階建
  • 敷地面積 :330.58㎡
  • 延床面積 :152.54㎡
  • 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施   工 :札建工業株式会社
  • ブロック施工:よねざわ工業
  • 造  園 :政村庭園/政村悦啓
  • 竣  工 :2006年

週刊ブロック通信の購読申し込み

CTA購読申し込み画像
「コンクリート製品業界に関連するするニュースをいち早く・幅広く」お手元に届けることを心がけ、「週刊ブロック通信を読めば、この一週間の業界の動きが全て分かる」紙面づくりを目指しています。