ハイサイドライト

設計/山之内裕一・山之内建築研究所

強く足元に影を作る太陽光は光そのものの強烈な印象を与えられるが、影さえ作らないおぼろげな光の空間には、光そのものの存在を忘れさせる浮遊感がある。そのような自然光の演出に、私はいつも驚かされている。今年、一年を通じて何かと話題を提供し続けた「カスタマイズできる家」の特徴の一つに、大胆なハイサイドライトがある。十字プランの中央部採光を可能にする目的で採用したものだ。このアイディアは、十年前応募した某コンペ案にさかのぼる。時を経てようやく実現した。いざ実施となると、なかなか手強いもの。サッシをどう作るか、課題は山積していた。しかし、北海道の高性能サッシの進歩は、私の予想をはるかに超えていた。規格化された部材(今回はアルミの引き抜き材)を巧みに組み合わせることで、あらゆるデザインに対応可能な技術が実現していたことに驚いた。そしてデザインもスマートである。実施案はフィックスガラスのみの構成だが、開閉窓との組み合わせも可能で様々な可能性に満ちている。考えてみれば、明治の初期以来、北海道はガラス窓の特異な発展を庶民の住宅レベルで成し遂げた日本でも数少ない地域である。百年前のニシン番屋でさえ、半紙判の板ガラス窓で覆われていた。このあたりは、北海道建築の歴史として別の機会に触れてみたい。

カスタマイズできる家(第4回日本エコハウス大賞優秀賞)  詳細情報

  • 所   在 :北海道南幌町(なんぽろちょう)
  • 構造・規模 :補強CB造、および木造、平屋
  • 敷地面積 :337.80㎡
  • 延床面積 :115.93㎡
  • 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施   工 :晃和住宅
  • ブロック施工:よねざわ工業
  • 木製サッシ :札幌ベニヤ商会m.a.p事業部
  • ガラス   :Low-E ペアガラス(U値1.6)歌志内興産
  • 設   計 :2017年
  • 竣  工 :2018年5月

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