二十四年目のファクト

設計/山之内裕一・山之内建築研究所

新年、昔のクライアントが来訪、住宅改修相談である。改修ポイントは、暖房と給湯のシステムだ。新築当時ご夫妻ともに仕事を持ち、留守時の安全性からオール電化を選択した。以来、暖房、給湯、調理および照明など全て電気が頼り。数年前、お子様は社会人となり、クライアントご夫妻は定年を迎え転機が到来。新築時の1995年、暖房は経済的な深夜電力利用の蓄熱暖房機が主流だった。給湯には同様に電気温水器を備えた。蓄熱暖房機や電気温水器のヒーターが直焚きと呼ばれ電気を無駄使いするとして敬遠されだしたのはごく最近のこと。しかし当時は、効率の良いヒートポンプを採用しようにも寒冷地仕様で適当なものが無かった。その蓄熱暖房機もそろそろ耐用年数が迫ってきている。3・11以降、電気需要がひっ迫したのを受けて、なんとクライアントは、電気を自前で創ってしまう。太陽光パネルを設置したのだ。昨年の北海道東部地震では大停電の教訓もあり今度は薪ストーブの設置も考慮中。薪ストーブは計画的な薪の調達が必須だが厚沢部町は木材王国だ。薪造りのためチェーンソーの取扱いもすでに習得済みだという。真剣にしかも楽しみながら社会と生活に向かい合っているクライアントに感動した。暖房熱源は、電気とガスと薪、ベストミックスである。ところで、建物はどうですかと尋ねた。CB造の1階に、木造の2階を載せた混構造は、24年を経て全く問題ないという。古くなった水回り機器だけは更新したいとの希望。念のため外皮平均熱貫流率Ua値を再計算した。2地域での現在の基準値0.46w/㎡・kをクリアする0.38/㎡・kw。しっかりした性能を備えた住宅の事実(ファクト)だ。

厚沢部(あっさぶ)の家  詳細情報

  • 所   在 :北海道桧山郡厚沢部町
  • 構造・規模 :補強CB造一部木造、2階建
  • 敷地面積 :352.47㎡
  • 延床面積 :195.56㎡
  • 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施   工 :小林建設
  • 竣  工 :1995年(改修2019年予定)
  • 撮   影 :半村隆嗣

週刊ブロック通信の購読申し込み

CTA購読申し込み画像
「コンクリート製品業界に関連するするニュースをいち早く・幅広く」お手元に届けることを心がけ、「週刊ブロック通信を読めば、この一週間の業界の動きが全て分かる」紙面づくりを目指しています。