プロジェクト2021

連日猛暑が続く夏季には想像しがたいけれど、私が暮らす北海道では毎年10月末から雪と寒さが訪れその後半年間続く。そうした土地の風土に適合する空間構成は、本州のように夏を旨とする開放型ではなく、閉鎖型が求められてきた。暖を採るための理由が主なのだが、その結果、居間を中心にして家族が集う時間は他のどの地域よりも多いという調査結果がある。さらに住宅平面は「集まり部屋」を中心にしたコンパクトな空間構成へと向かう(足達富士夫編:北海道の住宅と住様式/1982年参照)。

時代と共にライフスタイルが変化するとはいえ、住宅には「集まり部屋」的な空間が求められていると思っている。私の設計する住宅は、南幌町「カスタマイズできる家」で初めてハイサイドライトを採用、一日中自然採光を取込み十字プランの中心部を「集まり部屋」と見立てた。そこでは食事と共に家族それぞれの自由な活動が展開される。今回の住宅もまたそうした内部空間の充実を意図している。プロジェクト2021は、北海道に計画する平屋建て住宅。ハイサイドライト(高窓)からの自然採光と家族の集まりを意図した十字プランが特長。そして、補強コンクリートブロック造住宅であることは言うまでもありません。私は、土地の風土環境に適した合理的な工法と空間構成を備えたデザインを追求したいと思う。

(山之内裕一/山之内建築研究所)

2020年8月24日第3101号

プロジェクト2021 詳細情報

プロジェクト2021ハウス

  • 所  在:北海道
  • 構造規模:補強CB造および木造、平屋
  • 敷地面積:300.00㎡
  • 延床面積: 99.99㎡
  • 設計監理:山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施  工:松浦建設
  • ブロック施工:よねざわ工業
  • 設  計:2020年
  • 竣  工:2021年3月予定
  • 温熱性能:Ua値0.23W/(㎡・K) 
  • 温熱性能:C値 0.4㎠/㎡

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