高水密・圧縮強度1.5倍、自己修復コンクリート開発 安藤ハザマ
安藤ハザマ(本社、東京都港区東新橋、社長=国谷一彦氏)は、コンクリートの水密性を高める新技術を開発した。放射性廃棄物の安全な地下処分が喫緊の課題となる中、処分坑道の耐久性向上や安全性確保に寄与することが期待されている。名古屋大学博物館館長で大学院環境学研究科教授の吉田英一氏、積水化学工業と共同開発した技術で、コンクリーション化剤「CONSEED(R)」により、人工的にコンクリーションを発生させてコンクリートの水密性を高めることができる。コンクリーションは、地下水中の炭酸イオンとカルシウムイオンが反応して、炭酸カルシウムが析出・集積する現象。自然界では、生物の遺骸が分解されて生じた炭酸イオンと海水中のカルシウムイオンが結合し、炭酸カルシウムが生成されたコンクリーションと呼ばれる球状の塊が、海岸近くの堆積岩に数多く見られる。
研究グループは、自然界のコンクリーションが長い年月の風化に耐えることに注目。コンクリートに含まれるカルシウムイオンと結合すると炭酸カルシウムを形成し、人工的にコンクリーションを発生させるコンクリーション化剤の開発に成功した。施工段階でセメント系材料に粒状コンクリーション化剤を混合すると、液体状や粒状などの形態で炭酸イオンを放出。コンクリート内でコンクリーションを起こし、コンクリートに含まれるカルシウムイオンと結合し、炭酸カルシウムによってひび割れを自己充てんして水密性を高めることができる。
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