木を生かすブロック

設計/山之内裕一・山之内建築研究所

敷地は、かつて北海道における寒冷地住宅の出発点となった三角屋根ブロック住宅が数多く建てられていた真駒内団地の一画にある。したがって施主が建て替えを決意した時、何の疑いもなくブロックで住宅を建てることを選択した。そればかりではない。施主のブロックに寄せる信頼は並々ならぬものがあり、断熱材を中心に挟み込んで内外共にブロックで、二重積みで行きましょうということになった。とにかく緑を街の景観に取り込んで落ち着いた雰囲気を作っている真駒内である。住宅は、この地にふさわしく庭の緑と一体になるような外観が求められていた。

住宅の庭側の壁面は、緩やかなカーブを描く北海道産の杉材を外壁に用いた。無害の防腐剤を加圧注入処理したものを使った。木をもちいることで、ブロックの単調さに変化を与えることに成功した。なにより、庭からの景色がいい。住宅の中心になる居間は、陽あたりのいい2階に配した。玄関と主寝室そして水回りは1階にあるので、2階とつなぐ階段は特に重要である。階段の踊り場には、空を見上げる窓、庭を見下ろす窓、そして来客に声をかけることのできる窓が集められた。内側と外側の接点になることが意図された。階段の内装材は、壁を北海道産のシナ合板、踊り場床材はトド松材で作った。

階段を利用するたびに視線が移動する変化とブロックにはない木質の素材感を日々楽しむことができる。ブロックが木を生かしているのだとも、また木がブロックの印象を高めているのだとも言えそうだ。木とブロックと言う素材の対比が奥行きのある住宅の風景を内外に作っている。「真駒内南町の家」は、今年で20年目を迎えた。

真駒内南町の家  詳細情報

  • 所   在 :北海道札幌市南区真駒内
  • 構造・規模 :補強コンクリートブロック造、2階建
  • 敷地面積 :327.28㎡
  • 延床面積 :124.97㎡
  • 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施   工 :株式会社内池建設
  • 竣  工 :1994年
  • 撮   影 :安達 治

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