ブロック住宅につくるガラスブロックの部屋

設計/山之内裕一・山之内建築研究所

昨年3月にこの連載で紹介した「二軒長屋に集まって暮らす」家のリフォームである。前年、10年目の点検に山鼻の二軒長屋を訪れた時、将来を見据えて確保していた2階増床用オープンスペースに子供室を作りたいというクライアントからの依頼があった。新築当時は、兄弟二人の相部屋を希望した。その方がお互いのコミュニケーションがうまくいくというご両親の判断だ。同時に、いつか子供たちが成長し将来それぞれの部屋を希望した場合にも応えられるように、居間の階上にスペースを確保した。そして昨年、とうとうその時が来たのである。場所や広さは当初からの計画通り。新たに提案したのは、ガラスブロックによる壁を全面的に採用することだった。それには、いくつかの理由がある。

第一の理由は、もともと山鼻の二軒長屋は、細長い敷地形状で、二軒の住居は有効に光を取り込み、しかも「ほどよい距離感」をつくためにガラスブロックを多用していたこと。第二にガラスブロックは、遮音性に優れ(日本電気硝子株式会社の技術資料によると、透過損失500HZ、38dB)、もちろん透光性があることが最大の理由だった。静かで明るい個室が出来たのである。これも堅牢なコンクリートブロック住宅ならではのリフォームである。

山鼻の二軒長屋リフォーム2015  詳細情報

  • 所   在 :北海道札幌市
  • 構造・規模 :補強コンクリートブロック造、一部木造混構造(リフォーム:ガラスブロック日本電気硝子)
  • 敷地面積 :374.33㎡
  • 延床面積 :367.44㎡(リフォーム8.5㎡)
  • 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施   工 :札建工業株式会社(リフォーム共)
  • 竣  工 :2002年(リフォーム2015年)

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