車庫でコンクリートブロックを考える

設計/山之内裕一・山之内建築研究所

住宅と車庫の関係は、考えてみると面白い。かつてアップル創設者S・ジョブズが車庫内で起業したという逸話は象徴的で、その頃すでに車庫は格納庫からの変容を意味している。車庫が書斎を超えた知的作業場または遊び場だった。

最近、私が設計する住宅の車庫は、アクセスを兼ねた開放的なカーポートが多く、日常的に最初に触れる住空間と位置付けている。住宅の入口でありゲートの役割を持つ、人間の家への結界なのだ。自前のシェルターを持つ車はもともと屋根が不要だが、積雪寒冷地ではそうはいかない。だから、1台当たり面積15㎡の屋根付車庫をどこに取るか、配置計画のキモになる。

一方、車も変化を遂げてきた。自動運転や電動化などに合わせ、車庫側の装備も変える。私は、数年前から電気自動車充電用コンセントを標準装備としている。写真は旭川のブロック住宅である。コンクリートブロック壁で領域をつくり車庫を外の玄関ホールとした。屋根を支える構造は、木造柱に軽量鉄骨梁を架け光と風が抜ける工夫をした。積雪のため繊細な植栽による空間演出が難しいけれど、コンクリートブロックのクールな印象を活かす工夫をしている。車庫が玄関先の雰囲気を決める重要な要素だからである。

美しが丘の家  詳細情報

  • 所   在 :北海道札幌市清田区美しが丘
  • 構造・規模 :補強CB造一部木造、2階建
  • 敷地面積 :330.58㎡
  • 延床面積 :152.54㎡
  • 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
  • 施   工 :札建工業株式会社
  • ブロック施工:よねざわ工業
  • 造  園 :政村庭園/政村悦啓
  • 竣  工 :2006年

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