ハイサイドライトの平屋
設計/山之内裕一・山之内建築研究所
土地の風土環境に適した合理的な工法と空間構成を備えた住宅デザイン追求の中で、補強コンクリートブロック造住宅を設計している。最近の設計事例から、外観を特長づけているハイサイドライトについて、前回の続編として再検証する。手短に要約すると、今回の設計事例では住宅中央部に設けた家族の「集まり部屋」を成立させているのがハイサイドライトで、重要な建築要素になっている。ハイサイドライトは、南に、つまり太陽に向けられた高窓で季節ごとに、また一日の時間の移ろいと共に自然光を取り入れている。開口部は、切妻屋根の小屋組みタルキを南側へ延ばすことで屋根面にズレを生じさせ垂直面の窓をつくっている。例えば安定した採光を目的とした工場建築のノコギリ屋根に見られるような高窓を連想していただくとわかりやすい。高窓は、採光装置として合理的な方法ではあるが、屋根上に設けるため様々な厳しい気象条件に耐えなければならない。屋根の下は家族が集う場だから、完璧な防水性能を有していなくてはならない。私の設計事例でもハイサイドライトはシンプルにFIX窓であること、自然光を取りこむ以外想定されていない。改めて詳細図を検証するとそうした設計意思が再確認できた。
江別の平屋Ⅱ 詳細情報
- 所 在 :北海道江別市
- 構造・規模 :補強CB造一部木造、平屋
- 敷地面積 :300.00㎡
- 延床面積 :101.26㎡
- 設計監理 :山之内建築研究所/山之内裕一
- 施 工 :松浦建設
- ブロック施工:よねざわ工業
- 竣 工 :2021年3月
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