No.63 広い視野で日本をよく考えてみましょう

  1. 5月19日までに決算を発表した会社の合計売上高は、前期比16%増の737兆円になりました。コンクリート製品業界も、大きく売り上げを伸ばす方策に取り組むべきです。
  2. セメントという非常に優れた材料が、他材料にもの凄く負けています。国内需要は、1990年に8628万トンありましたが、2022年度は3727万トンで約6割も減りました。
  3. その理由は、現場打ちコンクリートの人手不足です。生コンを1時間も2時間もかけて運び、足場や型枠、鉄筋を組んで打設。後片付けがまた大変です。つまり現場作業費が膨大なのです。
  4. コンクリートを販売するのに、生コンではなく製品で販売すべき時代になっているのです。
  5. ドイツでは、圧倒的に生コン需要が製品需要に置き換わっています。私たちは、この点にもっと注目すべきです。例えば、ドイツではコンクリート製品の需要がもの凄く伸びて、コンクリート製品の販売トン数が生コンの販売トン数をかなり上回ってます。
  6. その理由は現場の省力化ばかりではありません。生コン成形品と比べて、コンクリート製品の品質が遥かに高くなったのです。これによって、他材料との競争力が、もの凄くアップしました。
  7. 日本では、コンクリート製品の品質レベルを圧縮強度でチェックしますが、ドイツ等では空隙率でチェックします。1%を少し上回るレベルです。
  8. 注目すべき点を言います。日本で販売されているコンクリート製品は、ドイツでは販売不能の低級品なのです。原田は、この事実を確認するため、ドイツに日本の一流メーカーの製品を送ってテストしてもらいました。ドイツから「これほど空隙率が高いコンクリート製品が日本で販売されているとは信じられない。なぜ日本のメーカーは、高品質品を販売しようとしないのか。今は、生コン成形品と工場製品とでは、根本的に規格が別の時代だ」という回答のレターが届きました。我々も反省して、高品質品に取り組みましょう。
  9. コンクリートは、キロ6円のとても安価な材料です。鉄は100円レベル、プラスチックは数百円、アスファルトもどんどん値上がりしています。付加価値を与えコストを大幅に下げる手法が広がれば、日本でもコンクリート製品必勝の時代となるのは目に見えています。

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